PDCA、その言葉は多くのビジネスパーソンは聞いたことがあり、実践もしている人も少なくないと思う。
ビジネス書でも、何かのセミナーでもとりあえずPDCAという言葉は昔からよく出ている言葉で、便利な四字熟語(?)である。
一方で、一般化されたPDCAの図は何度も見たけど、具体的に実行に動かせていなかったり、ふわっとしたままの人も少なく無いだろう。
この書籍「鬼足PDCA」はそんなPDCAをおそろしく素早く回す、という目的も達成を目指すが、PDCAをきちんと学びなおし、具体的にそれぞれのP、D、C、Aごとに何をすれば良いのか、どういうところに注意すべきなのか、その奥深さをしっかりと解説した本である。
どちらかと言えば、さらっと読んでしまうビジネス書というよりもその都度、何度も読み返したくなる教科書みたいな存在だ。
271ページ、ガッツリで情報量(文字量)は多いが、丁寧に事細かく書かれている。
これを実践することでPDCAの精度も回転する速度もより速くなる印象だ。
AはAdjust、つまり調整するということ
まず、大きく自分の考え方を覆されたのが、PDCAが何の略か、ということ。
Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(行動/改善)と覚えていた。それで間違い無い。
しかし、本書では最後のActionをAjust(調整)としている
そうそう、長年疑問に思っていたのですが、DoとActionって「実行」と「行動」って同じ事指しているように思えて、PDCAをフワッとさせた概念にさせていた大きな原因ではないかと思う。さらに本書では下記のようにも記している。
日本語表記として一般化している「改善」も、良いことをさらに伸ばす伸張案が抜け落ちてしまう恐れがあり、正確ではないからである。
悪かったこと(課題)を改善するだけでなく、良かったものを”さらに伸ばす”という意味合いが重要だということだ。そのため、Adjusst(調整)のほうが適切であると。
そういった、PDCAそれぞれの定義から始まり、具体的な進め方についても本書はモリモリの内容である。
PDCAの定義とは?
読み進めていくうちに自分自身の中でもPDCAの定義に変化が起きた。
- PDCAとは前進を維持するためのフレームワーク
- PDCAには大規模PDCAと小規模PDCAと親子関係にあるPDCAがある。
これはタスクでいう、メインタスクとサブタスクとの関係にも似ている。
→もしかしたらPDCAはタスク管理の中に取り込んでいくのに相性が良いと感じた
そして、PDCAがあるから課題解決できる、PDCAと自信はニワトリ卵の関係であると紹介されている。
PDCAを回すと自信が沸き、自信が沸くとPDCAが回る、というのだ。
そうならないPDCAはやり方を間違えている可能性があり(例えば具体化されてない、ブレークダウンされていないなど)、それは見直した方が良さそう。
ボクの読書後のアクションプラン
読むだけでなく、本を通して学んだことの幾つかを実行に移してみようと思います。
1.PLAN
具体的なゴールを明確にする。数値化や時期など。
- ゴールを定量化する(KGI・期日の設定、1〜3ヶ月の適度な期限を設定する)
- 現状とのギャップを洗い出す
- ギャップを埋める課題を洗い出す
- 課題を優先付けて3つに絞る(見切った課題も保存はしておく)
- KPI化する
- KPIを達成する解決策を考える
- 解決策を優先付けする
- 「見える化」する・・・張り紙をする
書籍でも書かれていたことだが、上記の流れで、ボクの場合はタスク管理アプリのTodistで設定をしていこうと思う。
上記で書いたようにPDCAに親子関係があるように、タスクにも親子関係があるので、ここでうまく整理していきたい。
2.DO
Do→ToDoへ。Doのまま、タスクリストの中で温めてしまわない。
- 複数のアクションに分解
- アクションをタスクレベルに落とし込む。この作業は後回しにするのではなくなるべく瞬足に
タスクレベルに落としたときに具体的な作業ボリュームであったり所要時間が見えてくる。これをタスクリスト上で見える化していく。
3.Check
Checkの状況に応じて、PDCA→DCA→PDCAかもしれない。この実行サイクルをどんどん回すが、きちんと検証してムダだと思えば減らす。
- もっと効率的な方法はないか
- この実行サイクルはムダでは無いか
問いかけていく。
4.Adjust
ここはしっかりと調整(チューニング)をしていくフェーズ。
- ゴールレベルの調整
- 計画レベルでの大幅な調整
- 解決案や行動レベルの調整
- 調整不要
調整不要という選択肢もあることも視野に入れておこう。
PDCAの速さをあげるために
ゴールから、課題、タスクに分解していく時に、因数分解的にブレークダウンしていくのだが、スピードをあげるためにはこの因数分解がどこまで出来るかにかかっている。
これはタスク管理でも同様で大きなタスクがあった時に、細かくサブタスクや手順などをメモして書き出せば、ひとつひとつが実行しやすいタスクになっていて、進めやすくなるのと似ている。
また、KPIも細かく設定しやすい。そういったメリットもあるので、因数分解というのをテーマにタスクを整理していってみたい。
手元に置いておきたい一冊
この「鬼足PDCA」という本は噛めば噛むほど味が出てくるスルメのような存在だ。実はこの記事で触れたのもごく一部分。
今、このやり方を取り入れてみて、1ヶ月、3ヶ月後と読み直して、再度検証したいと思うほどだ。
そのため手元に置いておきたい一冊である。Kindle版も安くなっているので買いやすいので、そちらで持っていても良さそうです。
ボクは、この考え方を私生活でも導入してみて、良くなることがあればまたブログで紹介していきたいと思います。