フリーランスになるにあたって考えておきたい工数管理のこと


My office as of ’08/01/06 / Yasuhiko Ito

すでにフリーランスじゃん、と突っ込まれそうですが、諸事情含めて近いうちに正式にフリーランスとして動けるタイミングがやってきます。

その時に考えておきたいのが工数管理ということです。

8年前にはすでにWeb制作会社の制作から営業へ転じ、クライアントへ見積書を出す立場にいました。
その時は各スタッフ(デザイナーやシステムエンジニアなど)の作業時間見積もりに時間単価をかけるというやり方でした。後で一般的には「人月」という1ヶ月単位で見積もるほうが一般的と理解したのですが、0.05人月とか微妙な小数点が出る見積書よりか“8時間”と大きな数字で見える方が説得力のあるものと考えさせられました。
※実際にそういう小さい案件や細かい作業もあるので、時間単位での見積もりのほうが見えやすかったです。

そして、その見積書と実際にかかった時間、ゆくゆくはそれぞれのスタッフの給料の原資と紐づけられる考え方はクライアントからお金をいただいてそれが元になって給料になっている、という考え方も改めて身に染みてくるのです。
まさにタイムイズマネーであり、マネーイズタイムでもあります。

受託案件は必ず工数見積もりをする

Web制作会社の中にはページ単価で見積もるところもありますが、すでに8年前の時点でもそれは破綻していると感じていましたし、現状のFlashブームも過ぎてHTML5だとかjQueryだとかそういう時代にページ単価なんてものは恐ろしくて使えない単位なのです。
それでも、古い会社さんだとページ単価のほうがわかりやすいから、とか紙の感覚で見積もりの提示を求められることがあります。しかし、そういった時に限って妙な要求が入って、時間がかなりかかる開発になり、大赤字になる可能性があります。

見積もりを出す前に必ず要件定義(どんなことをするか、どこからどこまでの範囲をするかの線引き)をして、それを多少手間がかかっても提案書にまとめてそれに合わせた見積書として作成し、説明して同意をすることが必要だと考えです。
コストと作業範囲の認識のずれによる、作業時間の膨らみが原因で他の案件をこなせない、もしくは受注機会を損失するなどのリスクが発生してしまうことを防がなければなりません。

スケジュールを管理すること

受注したとしてもそれをこなす時間が無かったりするとはまりますし、トラブルが発生した場合、泥沼にはまります。
ボクの場合はGoogle カレンダーでアポイント時間や作業時間を確保していくようにしていますが、それとは別途案件管理シートをExcelで作成しています。
それには、それぞれの案件の具体的な作業項目とそれに対する期間がガントチャートのような形で記入されています。

多くの場合、複数案件を同時並行で走らせるわけですから、厚い(忙しい)期間や薄い期間があります。厚い期間が続くと疲弊しますし、ミスもしやすくなります。そしてトラブル発生時は時間にも追われ睡眠も出来ずに体調不良にもつながります。そのため、なるべく厚い薄いの波ができないように、スケジュールをコントロールすることが大切です。

その他、個人的には週休3日制という考え方を導入しているので、いざとなれば、その1日で吸収するというバックアップを用意しています。

ストップウォッチと完成度の見切り方

ブログエントリーは30分以内と決めています。
30分を超えるモノは下書きして改めて書くことにしたり、永遠に書かなかったりします。そういうものはたいてい良いエントリーではないことが多いです。

さて、ブログ以外ならず様々な作業において、時間を区切ることが必要です。
作業工数見積もりを元にクライアントに見積書を出していたら、スケジュールと作業時間が決まっているわけで、その時間内に終えなければなりません。むしろ、余裕をもって完了しているとバグ発生時やトラブル時に赤字に追い込まれずに取り戻す可能性があります。
知り合いのデザイナーも言っていましたが、凝ろうと思えばいくらでもできるものがあります。しかし、時間というのは無限では無く有限であり、またコストと結びついていると思えば歩いて緯度割り切らなければならないのです。

そこで、ストップウォッチで時間に縛りを持たせて、その緊張感の中で集中して作業を終わらせるのです。しかもその時間内にアウトプットとして問題無いレベルに作り上げることが求められます。
当然、自分で見積もったのだから出来てないと困るのですが、外部監視の無いフリーランスだとつい、油断したりルーズになってバタバタしたりしがちです。だからこそ、なるべく作業時間短縮の方向へ、そして前倒しの方向へ持って行くのです。

そして、ボクもコーディングしながら、ここはもっとこうしたかった、とかここを組み直したいとか多々あるのですが、エンド(締切)がある以上、すべては網羅出来ないのです。出来なかったらそれはそれでしょうがなく、出来る範囲で要件を満たせていればOKとまずは妥協します。

しかし、その妥協は自分を成長させません。だからこそ、日々多くの情報や技術のインプットをして、いかに効率良く作業が進められるか、生産性を上げられるかを追求する必要があるのです。

付加価値はここで作る

ボクの場合は週休3日制の1日をGoogleの20%ルールのように自分がしたいことに時間を充てています。
ここで、新しい技術を身につけたり、個人的にサイトを作ったりして、腕を磨いたりしています。情報は毎日のように降ってきますし、それをEvernoteやInstapaperなどに投げて、それを見て試したりしています。

実はここに今後の自分の付加価値を育てる部分があるのではないかと思います。毎週1日という定期的なペースが重要です。

ボクが持っているフリーランスのイメージは忙しい時期とそうでない時期があって、そうでない時期はほっとしちゃうイメージがあります。そうではなくて、なるべく忙しさはなだらかにして、毎週1日腕を磨いて、自分という商品を鍛える、というところにあるのではないかと思います。これがフリーランスとしてやっていくにあたっての差別化であり、付加価値につながるものと思います。

受託だけでは無い工数管理

工数管理は受託だけではないと考えています。
ブログを書く30分も見積もりをすればいくらかの売り上げ金額になります。それが、Adsesenなどでペイできていれば黒字、そうでなければ赤字と判断出来ます。
おそらく今後WebアプリやiPhoneアプリなども作っていきますが、成果報酬型の広告をつけていて、それが赤字か黒字かどうかを理解してやれている人は少ないのではないでしょうか。(そんなことより作っているのが楽しいからいいんだ、ということでやっているなら別にいいのですが、ビジネスとしてやるのであれば、考えたほうが良さそうです)

ひょっとしたら、この行列に並ぶのにかかっている時間に対するコストは・・・とか考え始めると、作業時間の引き締めに少しは役に立つかもしれません。