先日の入院中この書籍を読んだ。
入院中なので、今すぐ目の前の仕事に活用する時間術とか効率化とかの話を読んでもしょうがないと思ったのだが、まあ、時間もあることだし読んでみようと思った。
しかしだ。
これまで読んできたそれらのホントは少し違う入り方をしていた。
この本はGoogle×YouTube出身の「時間オタク」が書いた本だ。
それなりにキレる(良い意味で頭の良い)本だと思ったが、とても敷居の低く、また一般人に近い感覚で書かれていたことに好感が持てた。
このイラストがこの本の目指すところを問題提起した
あれは2012年のことだ。リビングルームで息子が木製の電車セットで遊んでいた。ルーク(当時8歳)はせっせと線路をつなげ、フリン(赤ん坊)は機関車によだれを垂らしていた。そのときルークがふと顔を上げて、こう言ったのだ。
ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー. 時間術大全人生が本当に変わる「87の時間ワザ」 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.124-126). Kindle 版.
同じようなシーン、心当たりないだろうか。
子どもがいなくても、恋人の前でうっかりInstaチェックしたり会社のメール見たりしてたりしないだろうか?
僕はネットをいつも気にしていたせいで、子どもに正面から向き合っていなかった。本を書くという「いつかやりたい」大きな目標も、ずっとあとまわしにしていた。実際、1ページもタイプしないまま数年がすぎていた。誰かのメールや誰かの更新情報、誰かのランチ画像の海で立ち泳ぎするので精一杯だった。
ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー. 時間術大全人生が本当に変わる「87の時間ワザ」 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.143-146). Kindle 版.
この方自身はGmailチームで開発に取り組んできたのにも関わらず、この後、Gmailのアプリをはじめとして各種SNSなどのアプリを削除した。
こういった話から始まるようにこの本は作業効率を単に高めるテクニック本でもアウトソーシングして時間を作るというところを目指す本ではない。
自分にとっての大事な時間を作り出すためのノウハウという考え方で読み進めて欲しい。
予想以上に他の効率本などと比較しても物事に対する感覚が違うことに読み進めて気づくだろう。
ハイライトを設定する
この本で一番メインで打ち出していることは「ハイライトを設定する」ことではないだろうか。
限られた時間に多くのタスクをこなす、自動化してステップ数を減らす、とか目先のてくにっくではない。
60〜90分の集中する時間をつくることだ。
ハイライト選びでいちばん重要なのは、今日は「緊急性」「満足感」「喜び」のどれをメインに置いた1日にするのかを、直感で決めることだ。
ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー. 時間術大全人生が本当に変わる「87の時間ワザ」 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.711-713). Kindle 版.
いろんなタスクを少しずつ進めるのも、前に進める手段でもあるが、このハイライトで、「終わらせた」と達成感の得られるものをつくることで、その1日の悦びや満足感を味わえることに焦点を置いている。
忙しくて「今日何してたんだっけ」と言いながらも複数のタスクを処理する毎日が続くサラリーマン。
実際にはいろいろこなしているんだけど、なんとなく同じような毎日が繰り返されていると思ったら、じっくり集中する60〜90分の集中する時間を作り、「今日はこれをやり終えたんだ!」という満足感と一緒に家に帰り、ゆっくりと眠って明日の朝元気に起きれるようになれると良い。
本書ではハイライトから始まっていくつか、解説もあるが、まずはハイライトをつくる(今日の課題)をつくる、というところから働き方を変えていっても良いのでは無いだろうか。