スペイン

フルスタックエンジニアだとか、最近「フルスタック」という言葉に触れることが多い。

どちらかと言えば自分はまだまだ中途半端だけどフルスタック的なところはあり、Web制作会社数社に以前在籍していたころは、実に制作・コーダー、ディレクター、プランナー、営業、解析・コンサル、広告事業、新規事業立ち上げ、業務管理、人事総務と一通りの職務を経験してきている。
フルスタックだったからこそ、それぞれの部署で求められていることもあった。

そのため、そのころいたWeb制作会社内では「スペシャリスト」「ゼネラリスト(意味としてはフルスタックに近い)」という分類で後者となり、またその強みを活かしてプロデューサー(営業職)であったことが長い。

※メインの職務がWebディレクターだとか誤解されていることも多いのですが、どちらかというと営業や企画、新規事業立ち上げのほうが時間も長く経験もある。

ゆえにフルスタックなわけですが、フルスタック(ゼネラリスト)の悩みはそれぞれの領域についてスペシャリストの水準にはどう頑張っても太刀打ちできないので、その水準を求められても実現出来ないという実に「中途半端」な立ち位置なのである。この悩みは割とある。

しかし、一方、顧客からの要求でフロントエンドとサーバー側がそれぞれわかる人が一人ずついれば解決できるような案件もフルスタックエンジニア1名に任せた方が期間的にもコスト的にも落とすことが出来る、と言われることもある。それを実現してしまうことも多々あるだろう。
いわば便利なところもあるので、案件とかお願いされやすいという性質もある。
企業としてもこういうフルスタック型人材を採用すれば、それぞれの職域ごとに一人ずつ採用するよりも人件費を抑えられてラッキーかもしれない。

しかしだ。

会社内での業務をすべてやる、というのは実は彼らには向いていない。
もちろん、フリーランスや個人事業主、一人でやっている会社などはそうせざるを得ない。それはしょうがないが、組織において、こういった人材を有効活用するにはプロデューサー的な立場にまわったほうがいい。
それはどう頑張ってもそれぞれの領域でスペシャリストの水準には到達していないからだ。その領域は彼らに任せたほうが、クオリティがいいものが作れるはずなのである。

それらのスペシャリストとうまくやり合えるのが彼らと共通言語を持っているフルスタック型人材なのではないかと思う。

例えばとあるWeb制作会社ではボクは唯一制作あがりの営業であった。
クライアントのところへディレクターやエンジニア、デザイナーを連れて打ち合わせに行って、帰り道にそれぞれに「こうしようぜ」って作戦会議をする。

これが他の営業だとディレクターに丸投げなのですが、フルスタックであるが故に、それぞれの職域のスタッフに適切な指示を出すことが出来る。彼らと話し合える共通言語を持っているからだ。

デザイナーには「ここのcssはこうすればクリアできるんじゃね?」とかエンジニアには「とりあえずさー、DBでこの情報持ってさー」とかとか。

それはディレクターの仕事でもあるのだが、逆にある程度の青写真だけは詳しく知りすぎている部分もあるが、ある程度一緒に考えて用意してあげる。
特にデザイナーやエンジニアとのやり取りにまだ不安なうちはフルスタック型プロデューサーが全力でフォロー出来る。これは初心者ディレクターのOJTにはもってこいで、よく初心者ディレクターの案件の営業をボクが担当した。

さらに、彼らの業務内容をよく知っていて、その苦しみや辛さも理解出来るフルスタック型人材は、それを頭の中で計算してクライアントと握ることも可能だ。
デスマをその時点で防ぐことができる。

そして実際にモノを作るのは彼らだ。彼らにしっかりと任せて次の案件を獲りに行く。
いわば、実作業はほぼしないが、そうしていくうちに緻密に制作側の人間の事情を把握した調整役としてのスペシャリストに転化していく

営業の中ではボクはコミュ力が最も低いことで有名だが、クライアントとの調整とかは割と長けていたこともあり、さらに制作側からもなんとかご協力いただけるようになり、そこそこの売上の数字を持っていた。

同様に、フルスタック型人材は今後、どんどんプロデューサー的な職域に伸ばしていくべきで、決してすべての作業をこなす作業員になってはいけない。
会社側もだ。作業員を効率良く確保する手段としてフルスタック型人材をとってはいけない。フルスタック型人間にすべてをやらせるのではない。
彼らが本来の能力を発揮するのはプロデューサー的な立ち位置ではないかと思う。

フルスタック型人材は調整役としてのスペシャリストに転化していく。

と、最近腐っている自分に言い聞かせるために、このエントリーを書いた。

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