社会人1年生で無くても手元に持っていても良い情報収集術の本

この記事は約6分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

超整理術の本を読んで、”情報を集める“という前段階の工程についても本から学んで行こうと、社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術 (「やるじゃん。」ブックス) を図書館から借りました。

冒頭はさすがに上司とのコミュニケーション含めた部分からで社会人1年目で資料作りの経験が無くても、どういったところの気を配れば良い、という点から触れられています。
さらに、会社にについて調べて、ということについても決算書レベルまで進むので、表層的にググって終わりではなく、深みのある情報収集まで出来る様になりそうで、仕事スキルの上で差別化にも繋がる印象です。

後半は情報のソースの紹介があるので、「○○を調べるときにはこれをこの視点で見ていくと良い」という辞書的な役割も担えそうなので、手元に置いておいて損は無さそうです。

また、単に情報収集だけでなく、情報を集めながら企画書を作成していくというフェーズでも十分に役に立つ本だと思いました。

情報収集には要件定義をどれだけ詰められるかが重要

社会人1年目へのメッセージ

冒頭では社会人1年目の方へのメッセージが込められています。
情報収集の重要性だけでなく、仕事の進め方、特に情報収集における手順についても丁寧に纏められています。

この基本の流れはどの会社でもどの上司でも共通で役に立つかと言われると難しいところもあるかもしれませんが、全体像を理解して、会社や上司によってカスタマイズしていくと良い仕事の進め方が出来る様になるのではないかと思いました。

調査前にチェック!!
□いつまでにつくればいいのか
□資料の目的は明確になっているか
□対象者は上司だけか、あるいは、さらに上の役員なども見るものか
□報告手段は何を求めているか
□できれば、どういう結論を導きたいのか
□上司はどれくらいくわしいのか

調査前に上記項目を確認することが出来れば、情報収集の方向性を間違わずに、さらにアウトプットの方向性も間違って進めて無駄な時間を使うことは減るでしょう。
また、本書内にもありますが、一旦、アウトプットのイメージを箇条書きや下書きなどで途中で同意をとっておくのも良いでしょう。

なぜ?なに?5W2H

上司に○○を調べておいて、と言われてもそれが何のために必要なのか、誰のために必要なのか、会社の収益にどのように役立つのか、そういった裏側まで見通せると、より質の高い情報収集が可能になります。

例えば、

□ what:調べる対象です
対象が曖昧すぎて、何を調べていいのか最後まで定まらないケースがよくあるからです。

たとえば、「食品の市場」について調べるときに、各メーカーの生産額なのか
それとも販売額かによってもちろん結果は異なります。なぜならば、商品によっては生産したものの、大半が輸出されるかもしれず必ずしも日本の消費者がそれをすべて購入するわけではないからです。

といったことです。

あと、社会時に1年目だと一部作業を外注することや調査会社に依頼するということは余りないかも知れませんが、次のHow muchというのも重要な要素です。

How much:文字どおり資料作成にかけられるコストです。
たとえば、専門的なデータ資料は10万円を超えるものもあります。専門書であれば、1万円を超すものも珍しくありません。
それとも、数百円であれば図書館でのコピーくらいになります。0円であれば
社内外のヒアリングやインターネットで政府関連の統計資料を探す等々になるでしょう。資料作成の予算管理です。

本書にある5W2Hに沿って、何をどんな目的で調べるのかを具体化すると、目的を達成するのにそそった価値のある資料になるでしょう。

豊富なソース集

書籍の後半は情報収集する手段や参考となるURLなど含めて紹介されています。

どちらかと言えば、最初は使いこなすまでは難しいかも知れませんが、これらを自然と出来る様になると情報収集能力が飛躍的に高くなりそうです。

中堅サラリーマンでも知らないものいっぱいあるのではないでしょうか。

業種別審査事典とかもまったく知らなかったのですが、業界をざっと学ぶのにも良さそうです。
業界の理解、業界の動向、業務内容・特性などの視点で数ページにわたってまとめられています。
サンプルが下記URLで第5巻部分が見れるので、一度見てみてはいかがでしょうか(予想以上に文章で説明されています!)

第13次業種別審査事典

ボクも知らなくて参考になるソースがたくさんありました。これで情報収集力に磨きがかかると資料作りがより楽しく魅力的な仕事になりそうです。

社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術は常に手元に置いておいても良い一冊です。

情報収集するときのソースとしてブックマークもしよう

この本を読んで、知らないソースもたくさんありました。

自分自身の情報収集力を上げるために次の2点をアクションに移したいと思います。

  • 5W2Hのフォーマット化(TextExpanderに登録しようかな)
  • 書いてあるソース、全部ブックマークしておく

急に情報収集する必要があるときに備えて、ブックマークに調査するためのURLをまとめて置こうと思います。

ネットでググる以上の調査力、資料作成力を磨きたい方へオススメ

社会人1年目からの「これ調べといて」に困らない情報収集術

第1章 情報収集 5つの鉄則
1 情報収集は上司へのヒアリングから!
2 資料は「会社の役に立つもの」でなくてはならない
3 情報には「種類」がある
4 情報はつねに疑おう
5 鮮度、期限……情報収集は「時間」が命!

第2章 資料作成の心得
1 資料作成は5W2H!
2 ストーリーチャートを作成し、情報収集をはじめよう
3 ストーリーチャートは逆算しよう
4 「QC7つ道具」を使って資料をレベルアップ!
5 資料作成でもっとも重要な4つのこと

第3章 会社・業界について調べてみよう
1 「会社の何を調べるか」をはっきりさせよう
2 インターネットで的確な会社情報を手に入れよう
3 ネットだけでなく、書籍にも当たってみよう
4 それでも手に入らない情報は人に聞こう
5 決算書を参照すればワンランク上の資料に!
6 決算書を手にいれるには(非上場企業編)
7 決算書を手にいれるには(上場企業編)
8 決算書から企業の強みと弱みが見える!
9 業界全体を知るための3つの方法
10 業界トレンドを押さえよう
11 業界の流れをつかもう

第4章 上級編・ここまできたら超「やるじゃん」な調査術
1 産業材価格推移や物価調査
2 家計調査等を使いこなす
3 消費者物価指数を使いこなす
4 世界の物価などを調べよう

決算書や世界の物価まで!
無限に調べる対象は増えそうですが、重要なのは、目的にかなった資料作りです。逆に単にググるだけでなくこれだけの方法やソースをもって情報収集力があがれば、資料の信憑性や説得力も増すでしょう。

まとめ

一部マンガも入っていますが、社会人1年目から入りやすそうな本です。
一方、それなりに肉厚なので、2,3年、情報収集しながら身につけていく、というぐらいのスパンで活用していくのも良いでしょう。

最後に「やるじゃん。」ブックスって面白いネーミングですね。そのシリーズをAmazonで調べると他にも面白そうな本がありそうです。

「「やるじゃん。」ブックス」の検索結果

 

タイトルとURLをコピーしました